ソーラーパネルとポータブルバッテリーを利用して、電氣の半オフグリッド生活をしているのですが、かなり前からソーラーパネルと接続するポータブルバッテリーのコネクタ部分がグラグラして、接触が悪くなっていました。
騙し騙しで使用していたのですが、その騙しも通用しない日(23年07月13日)が訪れてしまい、コネクタを修理する決意(追い込まれて)をしました。
その悪戦苦闘の様子です。
初心者の知識が少ない者による修理記事です。すべては自己責任で行って下さい。
経緯
ポータブルバッテリーのソーラーパネルを接続するコネクタの金属部分が奥に入り込んでしまった状態で、今までは何とか使用できていました。
しかし、ある日に完全に不通になってしまい、起床直後から四苦八苦しながら解決をしました。
方法は、太目の銅線(ゴミ流用)を短く切り、ソーラーパネルのコネクタに挟み、それをバッテリー側に差し込む方法です。
これでなんとか通電して使用できる様になりました。
しかし、翌日には上手く機能しなくなってしまい、修理を決断しました。
火災の危険性
最近、電動自転車を含むバッテリー関係の火災事故を目にする機会が増えてきて、バッテリー自体を弄るわけではないので危険性は低いのですが、(特に古い)電氣製品では接触不良による発熱が原因の火災が発生しています。
電氣知識の少ない初心者が、バッテリーの接触不良の箇所(コネクタ)を修理(弄る)わけですから心配です。
初めて電氣製品を修理した「ランタン」とは比較にならないので、尚更です。
そこで、いろいろと情報を集める内に同じバッテリーの修理動画を見つけ、関連する動画も見てから、意を決して修理を始めました。
動画やブログを挙げていただいた方々に感謝いたします。ありがとうございます。
修理
注意事項
作業終了後に元に戻さなくてはならないので、部品の接続箇所、接続方法、接続の向きき等が分かっていないと元に戻せなくなります。
ですので、写真や動画を撮りながら作業を進めて下さい。後で苦労する事「間違いない!」。
実際、写真を撮っていたのにも関わらず、元に戻そうとした時に分からないことが出て来て、少し焦りました。
破壊は簡単。創造(再生)は難しい。
最初にやること
バッテリーの電源を切り、ソーラーパネルとの接続を外す。
バッテリーの蓋の取り外し
バッテリーの上部はビス留めされているのですが、ビスは蓋の6箇所の丸い部分の下に隠されています。
穴にすっぽりと被されているので、錐や目打ちなどの尖った物を差し込んでほじくり出したので傷だらけです。
頭が平な部品等を使って上手く斜め方向に力を入れると少しは傷が少なく取れる場合もありますが、諦めて傷をつけまくって取りました。
キャップが取れたら+ドライバーを使ってビスを取るのですが、ビスまでの距離があり、手持ちのドライバーでは届かなかったので、急遽、長い+ドライバーを購入(ダイソー)です(ドライバー部分が7cm以上必要)。
蓋を取り、基板を箱から出す
6個のビスを取り外したら蓋を外すことができますが、蓋に付いているコネクタなどの部品と基板が電線で繋がっていますので、様子を見ながらゆっくりと開ける必要があります。力強く開けないようにして下さい。
ショートを防ぐためにバッテリーの接続コネクタ2箇所を外します(青い四角型とその右の赤い丸型)。
作業のしやすさから基板を箱から出しましたが、基板の下側にもバッテリーと接続しているコネクタがありますので、慎重に基板を引き出してコネクタを外します。
3箇所のコネクタを取り外すと、基板を箱から出せます。
コネクタ部分の修理
今後のことも考えて動画を参考に、コネクタの電線を延長して本体から出すことにしました。
コネクタがプラスチック部品にはめ込まれているので蓋から外しました。
本体のコネクタの説明のプラスチックパネルを剥がして、ネジを外せば外せます。
が、コネクタを止めているプラスチックの3箇所のビスを外せば、わざわざ蓋から外す必要はなかったのではないかと、その後に思いました。
問題のコネクタを取り出したのですが、黒色のコネクタの下部が熱で溶けています。
コネクタ内部の金属が奥に入ってしまったことで接触が悪くなり、金属の熱がコネクタのプラスチックを溶かしたと思われます。
この状態で長い間、騙し騙し使ってきました。
コネクタが溶けていない赤い方は、切断したコネクタ部分を延長用コードにハンダ付けをし、熱収縮チューブで保護しました。
黒コネクタは根本で切断し、中の金属片を取り出して延長用コードに直にハンダ付けしました。
固定が上手くできなかったので、細い針金で巻いて動かないようにしてからのハンダ付けで、力技の対応です。
それをコネクタに再度入れたのですが、ハンダ付けで太くなったため金属片が奥まで入らなくなり、コネクタの後ろ部分を切り取り先端部分のみにしました。
切り取りは、先を細くした銅線をハンダゴテに巻きつけて溶かし取りました。
延長用コードにコネクタを付けているので、本体の内側からは通せないので外側から本体に通して、元のコードとハンダ付け行いました。
また、ハンダ付けの箇所をショート防止のために熱収縮チューブで保護しますが、ハンダ付けの前に熱収縮チューブを入れておく必要があります。
基板の上での下手糞のハンダ付けを行わなければならないため、ハンダが基板に落ちないように、段ボールを基板の上に被せながらの作業です。
また、延長用コードの被膜(ビニル樹脂)の耐熱温度に不安があるので、耐熱温度の高いガラスチューブを被せました。
熱収縮チューブはライターで炙れば収縮できます。(ドライヤーでも可)。
何度もテスターで導通確認をし四苦八苦しながらも修理は終了したので、バッテリー等のコネクタ類を再接続しながら基板を元の位置に戻します。
修理したコネクタにソーラーパネルを接続して、緊張の動作確認です。
正常に動作していることを確認した後、完全にビス留めをして無事終了です。
疲れたが、充実感あり!
参考情報(備忘録)
バッテリー(PS5B:suaoki製)の仕様
- バッテリー容量:400Wh ※DOD(Dept h Of Discharge)放電深度は80%
- 定格出力:300W 最大出力:600W
- 入力 ACアダプタ:14V~40V(充電時間:6~8時間)
太陽光パネル:10A(Max)/14V~40V
※ソーラー用(MC4アンダーソン)/DC5525mm(DC5.5×2.5mm) - AC出力 110V-60Hz/50Hz
- 起動電圧 12V/600A(Peak)
- USB出力 5V/4*3.5A(Max)
- DC出力 12V/3A
- シガーライター 12V/120W
内部の電線について
電線には、規格の情報が記載されています。
同じ電線の情報の断片を集めて、太さなどを把握しました。
E333364 AWM STYLE 2464 16AWG 80℃ 300V VW-1
16AWG が太さを表し、米国ワイヤゲージ規格(American Wire Gauge)の略で、主にアメリカ・カナダで使用されています。
日本・欧州は断面積(mm2=SQ)で表記しているので変換が必要になり、16AWG=約1.5SQ になります。SQ は JIS規格 です。
この太さを元にして延長用コード(電線)を購入しました。
[参考:電線の導体サイズ (AWG、mm2、SQ、kcmil)|LAPP JAPAN]
その後の 80℃ から耐熱温度が高い皮膜を使用しているようでしたので、ガラスチューブを購入して被せたわけです(これが、上手く機能するかどうかは分かりませんが)。
ちなみに、車のジャンプ用ケーブル は
AWM 3512 10AWG 200℃ 600V SILICONR RUBBER * AWM I A/B 200℃ 600V FT2 colin CO.LTD
です。
感想
いろいろと情報を集めている時から、コネクタをそのまま利用するのか、あるいはギボシ端子、DCプラグ・ジャック等に変更すべきか、ずっと悩みながら分解・修理中も二転三転していました。
コネクタから変更してしまうと、ソーラーパネル側のアンダーソンーMC4 端子も変更する必要が出てくるため、まずはそのまま修理した方が良いと思いました。
その決定をしたのは、電線を切断する直前です。
結局、修理を決断してから情報収集、部品の買い出し、修理など終了するまで4日ほどかかりました。
「上手くいくだろうか?」「壊れたらどうしよう?」「もし、出火してしまったら?」と不安はいくらでも浮かんできます。
しかし、不確実な未来を不安視していたら永久に行動はできませんし、行動を起こさない以上は変化は起きません。
これは私の悪い心配癖であり、今生の課題なのでしょう?
それを払拭して修理を行いました。
いろいろとストレスもありましたが、無事、上手くいった後は本当に嬉しかったですし、また、少し経験値を増やせたことに感謝しております。
読んでいただきありがとうございます。ご縁に感謝いたします。